ユネスコによる持続可能性
国連を筆頭に多くの国際機関が持続可能性を追求する中、日本で注目されやすいのは国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の動向であろう。世界遺産による持続可能性の提議は関心を引き付けるだけの力がありうる。
無形文化財版の世界遺産とされる無形文化遺産は、創設の理念からして伝承の危機にある民俗芸能や伝統工芸の継承にあり、精神文化や技能の持続可能性を探るものである。
自然遺産(世界遺産)の原型となった「MAB(人間と生物圏)計画」の生物圏保護区(エコパーク)は、自然遺産が厳格厳正な保護を目的とするのに対し、生物圏保護区では環境資源(環境財・文化的環境)の一定の利用を認め自然と共存することを目的としている。この背景にある生物多様性条約も昆虫や微生物から植物に至る多様な生物の健全で公平な活用(例えば新薬開発)も網羅している。
創造都市ネットワークは創造産業による都市の成長を喚起するもので、都市が消費のみだけでなく文化経済的な持続可能性を備えることも目的とする。創造産業の推進に関しては伝統産業(文化遺産)を土台として発展を促す「遺産と創造性プロジェクト」も推進しており、「創造性に関する持続可能性の宣言」[3]も発せられている。
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持続可能性
持続可能性とは、一般的には、システムやプロセスが持続できることをいうが、環境学的には、生物的なシステムがその多様性と生産性を期限なく継続できる能力のことを指し、さらに、組織原理としては、持続可能な発展を意味する。すなわち、人間活動、特に文明の利器を用いた活動が、将来にわたって持続できるかどうかを表す概念であり、エコロジー、経済、政治、文化の4つの分野を含むものとされる。経済や社会など人間活動全般に用いられるが、特に環境問題やエネルギー問題について使用される。この概念は「ブルントラント報告」(国連環境と開発に関する世界委員会、1987年)で提起された。 以上から転じて、企業の社会的責任(CSR)との関係で、企業がその活動を持続できるかどうかという意味で論じられることもあるが、これは、本来の用法とは異なる。
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エネルギー効率改善都市(クリエイティブシティ)
クリエイティブシティはユネスコが推進する事業で、日本では創造都市ネットワークと呼ばれている。21世紀型の新都市構築構想(脱重工業・脱大量生産・脱架空経済を創造産業あるいは地域に根差した文化産業で実践)により都市の活性化を図り、社会文化的進化と文化多様性を実現することを目的としている。
世界遺産が不動産構築物を対象とし、都市としては歴史的な街並み景観などを登録するのに対して、創造都市は文学・映画・音楽・工芸民芸(クラフト&フォークアート)・デザイン・メディアアート・食文化(ガストロノミー)の7項目のいずれかで都市を定義する。IT社会を否定するものではなく、いわば「現代版無形文化遺産都市」。参加条件は7項目のいずれかを具現化できるクリエイター(作家・芸術家・職人など)あるいは企業(中小企業や町工場が望ましい)が有形無形の「技術と芸術が融合した文化的産物」を生み出し、文化消費する住民がいて、保護と活用を両立できる行政があること。特に伝統的蓄積があり、そこから斬新なものを創出できる活力がある都市が望ましい。
世界遺産は環境(文化的環境と自然環境)維持が第一で、常に新陳代謝が進む現代都市は相反する存在だが、クリエイティブシティに代表される知識産業や手仕事のような伝統産業やはエネルギー消費が少なく、エネルギー効率を含む環境文化という視点・意識が生まれてくることをユネスコは望んでおり、運営母体の規模と実績から今後の展開が期待される。
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